ノロロッジ

鳩ヶ谷の家

2002.05

鳩ヶ谷は日光街道が通っていたせいか、瓦屋根の載った古い家屋が多く残っています。その雰囲気を持った住宅としたいと思いました。
敷地は30坪程度の小さいものですが、東側が児童公園となっており、北側道路と共に開けています。
その公園方向に開き、また1階の道路レベルに空地を確保できるような物に。そのため1階の小さなRC造の四角いボックスに木造部分が張り出して載っている形としました。1階はプライヴァシーの必要性が高い室をコンクリートで囲い、2階の居間・食堂・キッチンは3方向を囲んでいる半屋外のバルコニーと共に外部に開放されています。
コンクリート打ち放しの1階と対照的に2階の木造部分は、一般流通材ではない太い材料を、伝統的な仕口・継ぎ手によって組み立てています。
玄関の壁は自立した16ミリ厚さの鉄の壁。これはアーティストの小池雅久氏の協力で実現しました。仕上げは「錆」仕上げなので、今後メンテナンスなど見守っていく必要があります。
ポスト・引き戸の引き手・その鍵は木製。これらは匙・お盆などを主に作っている木工家酒井あつし氏に頼みました。ポストの材料はキッチンのあまりのくるみ。引き手などはチーク無垢材を削りだしたものです。
構造:江尻憲泰() 施工:幹建設
キッチン:
鉄のキッチン:
ポスト・引き手: